東京学芸大学が新たに設置した教育支援課程で展開している「教育支援職」とは、子どもに限らず、社会を構成するすべての人々の「学び」の支援に関わる仕事のことです。
「学び」の場は、学校や幼稚園・保育所だけでなく、社会教育、生涯学習の場にもあり、またいわゆる高齢者支援の場でも多々設定されています。
教育行政・学校事務はもちろん、民間企業等の多様な業務の中に本来的にこの教育支援業務が含まれています。また、企業・組織・団体等の中には、教育支援を目的として設立されていたり、近年新たに、教育支援をその社会的責任の一端として取り組んでおられる所も出てきています。学生の皆さんの中には、卒業・修了後に自らこういった組織を立ち上げることを企図している方もいると思います。
有為の教育者を養成することを目的としている東京学芸大学としては、教職だけでなく、この教育支援職を志す学生のキャリア形成を支援しています。
①就職先に、上記のような「学び」の支援に関わる業務、または、学校・教育現場における課題解決への提案、協働等を行っている業務があり、また、②就職後、その業務を担当する可能性がある、という二つの条件を満たしている場合に教育支援に関わる職に就いたとみなします。
従来の職業区分で言えば、保育士(保育事務)、公民館・博物館職員、学芸員、スクールカウンセラー、心理士、児童養護・母子生活支援等施設職員、教育相談所相談員、各種ソーシャルワーカー、福祉事務所職員、生活相談員、外国人支援団体等職員、ICT支援員、劇場・美術館等職員、芸術文化系映像・出版等関係者、スポーツ指導員、スポーツ教育関連職員、地方公務員、教育・教育支援・文化交流に関する政策を所管している省庁の国家公務員等がそれにあたりますが、特に企業関係で言えば、
〇教育・学習の支援や問題解決のためのサービスやプログラムを開発・提供している
〇教育・学習の環境・手段を整備するためのサービス・プログラムを開発・提供している、または教育・学習のための組織・機関と継続的に業務提携している
〇企業等の本来業務とは別に、社会的活動として教育・学習支援に継続的に従事している(CSR=Corporate Social Responsibilityなどの役職を置いて教育支援を行なっている)
などの場合が、あてはまると考えています。