今回活動したフィールドは自身が通っていた高校である。その高校で部活動の補助を行った。活動は自身が所属していた茶道部で行った。夏休みを中心に文化祭当日まで活動した。高校を活動フィールドとして選択した理由は将来高校で働きたいと考えているからだ。高校で授業を見学することも考えたが、3,4年次に教育実習があることため部活動の補助を体験することにした。人に物事を教えるに何が大切なのか自分なりの答えを見つけることを目標として活動を行った。

茶道部は今年、女子生徒7人、男子生徒5人を迎え計19人で活動していた。男子生徒が所属するのは珍しく、全員が運動部と兼部していた。例年新入部員は4人であることが多いため、道具が足りたとしても活動できる場所がない。そのため、今年から活動日を一日増やしていた。また、毎年文化祭で浴衣を着ているため、男子と女子で浴衣の着方が異なること、コロナもなく、一般の方も来場することが予想される文化祭も初めてのため経験がないことも懸念材料であった。このような状況で私は体験活動を行うこととなった。

体験活動の目標であった「人に物事を教えるに何が大切なのか自分なりの答えを見つけること」は達成できたと思う。しかし、人に物事を教えるに何が大切なのかということはまだまだ考えを突き詰める余地があるはずだ。今回の活動では、三つの大切なことを見つけることができた。一つ目は、教える立場だという意識を保ち続けることである。今回は年齢が近く、後輩もいたのでどうしても高校生の感覚に戻ってしまう時があった。そうすると、教えるというよりアドバイスのようになってしまい、なかなか生徒に響かないと感じた。教えるという意識を保つため、休憩時は生徒側に立って、活動時は教師側に立って意識の切り替えを行うようにした。そのおかげか、生徒との連携やお点前の指導が生徒にうまく伝わった。二つ目は、間違えてしまうポイントは同じだということです。茶道の指導を続けていて、ミスの仕方は違えど、間違えている箇所がそろっていることに気づいた。例えば柄杓を構えるタイミングだったり、お茶碗を回す方向だったりだいたい同じだった。そのことに気づいてから、間違えを指摘するだけでなく、その動作にがそういった流れの中で行われているのか、そういった意味合いがあるのかを加えて説明するようにした。すると、段々と間違えが減り、指導することがグレードアップした。三つ目は、自分なりの説明を行うことである。私が指導を行う際に参考にしていたのが、当時私が茶道を習っていた先生である。今も高校で教えていて、今回私は先生がいらっしゃらないときに指導を行っていた。先生と同じように教えていたが、ふと私が指導する意味がないことに気づいた。私が体験することに意味があっても、生徒たちに意味がないということだ。同じことを同じようにやっていれば、私ではなくやはり先生がいればよくなってしまう。そこで、私はお点前の指導だけでなく、礼儀の面でも指導を行うようにした。先生が生徒たちに、先生自身に対する礼儀を教える機会は多くはないはずであると考えたからだ。この指導がどう生徒たちに影響を与えたかは、はっきりと検証出来てはいないが、今後に活かしていきたい。

今回の体験活動は本当に有意義なものになったと感じる。こういった機会を大学からではなく、自分でつくり今後も行っていきたい。

私は自己創造のための教育体験活動として、大学の構内にある学童でボランティア活動をおこなった。学童のミラクルキッズには大学の付属小学校の一年生から三年生までの児童が通っている。大学の空きコマの時間や放課後など基本的には午後の時間に活動をおこなった。また、小学校が夏休みの間は午前中から活動に参加することもあった。

この体験を通して、児童と触れ合う時の接し方について深く学ぶことができたと考える。私は当初、児童に接するときには褒めることに重きを置いていた。私の経験から、褒められると次も頑張ろうと前向きな気持ちになり、前進することができたからだ。そのため、児童に対して、何かできたときや、周囲にとって良いことをしてくれた時には積極的に褒めるようにした。しかし、この行動が裏目に出てしまうことが度々あった。児童を褒めすぎると、かえって調子に乗り、悪ふざけをしてしまう児童が出てきた。学童のスタッフに相談すると、児童は大学生に対してどこまで許されるか図っているそうだ。大切なことは、悪いことをしたときや、危険なことをしているときははっきり注意をすることだそうだ。

活動中、私は男子児童に腕をかなりの力でつねられたり、嫌な愛称で呼ばれたりすることがあった。そういう時は、素直に「痛い！」「やだ！」と言うようにした。ダメなことははっきりと伝えるということを繰り返した。そうすることで暴力を振るわれることは減ったように感じた。まだ小さい子供は、何がいけないのかについての知識があやふやである。私たちが注意する中で少しでも学んでいくことができたのではないかと考えた。

もう一つ、私が活動を通して学んだことがある。学童には様々な性格の児童が通っている。私は度々児童同士の喧嘩に巻き込まれてしまうことがあった。そうしたときに大切にしたことがそれぞれの意見を聞くことである。第三者から見て明らかに一方が悪いと感じることもあるが、双方の意見をしっかり聞いた。そして解決策を私が提示してしまうのではなく、どうしたらよいか児童に考えさせた。これは学童のスタッフの方がやっているのを参考にした。児童が自分で考える力を身に着けるための一助になったのではないかと感じた。

学童のボランティア活動を通して多くのことを学ぶことができた。子供は私が思っている以上にしっかりとした自分の意思があり、それを尊重することが大切だった。子供は感受性が豊かである。そのため、様々のことを吸収する。こうした発達期に関わる仕事は大きな責任を伴うものだと考える。今回の自己創造のための教育体験活動をはじめとして、教育創成科目や教育実習は実際の教育現場で働くための非常に大きな経験値となると考える。今回の学びをふまえて教育実習に取り組みたい。さらに今回は子供と実際に接する面での技術力の向上が図れたと感じた。しかし、授業などの指導面においてはあまり体験できなかったので、教育創成科目では板書の力などの今回学ぶことができなかった技術を学べるようにしたい。

1.活動の概要

岩手県を活動拠点とする特定非営利活動法人SETが募集する学生インターンに参加した。6地域の活動からの選択制で、私は『一戸町と僕らの未来開拓プロジェクト(通称:いちぷろ)』と題された、一戸町の中高生が大学生と一緒に町と自分の可能性にチャレンジし、生きたい生き方に向けて走り出すキャリア教育プロジェクトに取り組んだ。週1回のオンラインミーティングと月1回の現地入りを基本とした活動だったが、ここでは現地入りについて報告する。 

2.活動の詳細とそこで得た学び

(1)第1回現地入り@岩手県陸前高田市広田町(6/3、4=14時間)

本来の活動フィールドである一戸町を離れ、陸前高田市広田町に6地域をフィールドとする大学生メンバー全員が集結し、結束の強化と各チームの目標の具体化・言語化を図った。三陸館(三陸の岩を描いた岩手県陸前高田市の画家である故・畠山孝一氏の絵を展示する古民家美術館)を訪れた際には、東日本大震災当時のSETメンバーの復興ボランティア活動に言及し、外部からの大学生が地元住民では気づかない地元の良さを発見したことを『すきま風』と表現していたことが印象深い。また、単純に住民のあたたかさや住民どうしのつながりの強さを感じた。

この現地入りを通して、私は『人とのつながり』を大切にしていきたいと感じたと同時に、このつながりは外部の大学生が簡単に作り上げることができるのか、このつながりを「いちぷろ」に生かすことはできるのか、など『人とのつながり』についての疑問が湧いた。また、中高生の探究学習の『伴走』役となる自分たち大学生には、中高生が『自走』するためには何ができるのか、次回までに整理しておきたいと感じた。

(2)第2回現地入り@岩手県一戸町(7/15〜17=19時間)

チームの本来の活動拠点である一戸町を初めて訪れ、フィールドワークを通して地域住民と交流すること、及び探究イベント「だべり場」を通して地元中高生の興味・関心を引き出し、8月の本格的なイベント「マイプロジェクト3daysプログラム」への足掛かりとすることを図った。この現地入りの山場であった「だべり場」では、想定外の参加者の少なさに急遽イベントの次第を変更し、臨機応変な対応が求められた。開始直前まで話し合いを重ね変更に対する対応はうまくいったが、私自身の課題として、参加者である中高生の興味・関心を引き出す声掛け・問いかけの方法に課題があった。既出の興味・関心事項を深化させるための問いは5W1Hによるオープンクエスチョンを意識することで発することができたものの、自分では気づけていない興味・関心事項を引き出す発問をすることができなかった。一度自分の興味・関心に落とし込んで考え、自分はなぜそれに興味・関心があるのかを考えることで発問のヒントを得ていきたい。また、チームでも発問の仕方を検討していきたいと感じた。『伴走』の方法について学ぶ意欲が高まった。

フィールドワークも併せて振り返るとこの現地入りを通して、前回抱いた『人とのつながり』に対する疑問がより強くなった。月1回の現地入りで『人とのつながり』を築くことと中高生の『伴走』をしていくことのバランスをどのようにとっていくか、探究の『伴走』に対して『人とのつながり』はどれほど重要度の高いものなのか、この根本として、『伴走』者に求められる役割は何なのか(ファシリテーター、コーディネーター、ジェネレーター等)。チームの最終目標に照らしながらこれらの問いに向き合っていくことで、相手に対して少しでも良い影響を与えながらも、自分にとっても深い学びになりそうだと期待感を覚えた。

(3)第3回現地入り@岩手県一戸町(8/5〜10=42時間)

2度目の一戸町訪問である今回の現地入りでは、1年を通じての最大のイベントとなる「マイプロジェクト3daysプログラム」の運営、及びその間3日間で行われた中高生のミニアクションの『伴走』を行った。計6日間の流れをまとめる。DAY1及び2で中高生の「やりたい」を引き出し軸を定め、その達成に向けて「やりたい」を明確にするミニアクションの計画を立てた。翌日からの3日間でそのアクションを実行し、DAY3でミニアクションの振り返りによって「やりたい」を確かなものにしつつ、地本住民も巻き込んでアクションの報告会を行い、中高生には地域のバックアップがあることを理解してもらった。

私にとって初めての本格的な『伴走』の経験であり、何も経験がない分、中高生のためになるかどうかを軸に考え抜きながら、とりあえずやってみる精神で活動することができた。DAY3において上手く中高生の「やりたい」に触れ引き出すことができた感覚があったが、その要因を完全に把握することができていないことから、まずは上手くいったことを精査し、継続して使えるスキルとして身に付けたい。上手くいかなかった経験はたくさんあるが、自分だけで悩むのではなく大学生チームで相談したり、職員にアドバイスをいただいたり、文献にあたったりしながら、よりスキルを進化させたい。情報収集中ではあるが、何らかのセミナーに参加することも考えている。また、過去の現地入りで挙げていた『人とのつながり』の部分は、このプロジェクトが「一戸町の中高生が大学生と一緒に町と自分の可能性にチャレンジし、生きたい生き方に向けて走り出す」ためのものであったと今回の現地入りを通して再認識できた。この認識から、今後の活動における『人とのつながり』の位置づけを『伴走』のための1つの手段とすることで、自分の中で納得することができた。

3.今後の展望

1点目は、中高生の『伴走』についてである。「マイプロジェクト3daysプログラム」で強固なものになった中高生の「やりたい」に対する軸をもとに、今後も中高生のアクションは続き、それに伴って大学生の『伴走』も続く。8月の現地入りでは1週間という時間を最大限使って中高生の『伴走』をすることができたが、これからは月1回、1泊2日の現地入りとなり、1回あたりの時間は短くなる。よって、まずはチームでこれからの『伴走』の形式を明確にし、それに沿って自分には何ができるのか、これまでの学びと今後も続けていく知識・経験の蓄積をもとに考えていきたい。また、そのための知識や経験の蓄積に努めたい。

2点目は、納得解として生み出した『人とのつながり』の位置づけを『伴走』の1つの手段とするという考え方の洗い直しである。これはあくまで納得解であって、正解(があるのかないのかは不明だが)であるとは考えていない。「いちぷろ」のメインの対象は中高生であるが、地域の方々にも協力していただくこともある。よって、中高生にとっても、私たち大学生にとっても、そして地域の方々にとってもメリットがあるような活動にしなければならない。このことを肝に銘じながら、この活動における『人とのつながり』の意味を追求していきたい。最後に、ここまで考えるべきことばかり書き並べたが、そこに実践が付随するよう心がけていきたい。

今回の自己創造のための教育体験活動Aは、八王子市立散田小学校と八王子市立横山中学校で行わせていただけた。小学校では主に4年1組の学習・生活指導補助、中学校では主に陸上競技部活動補助を行った。活動の中で、自分の今後の学習に活かせることを多く学べた。

小学校での活動で特に印象に残ったことは、授業内での学習や調べごとにおいて、児童がパソコン(クロムブック)を利用していたことである。自分自身が小学生の頃はこのような授業形態ではなかったので、活動中は特にこのパソコンの利用について注目し、メリットがある反面デメリットもあることが分かった。メリットとしては、自分が調べたいことをすぐに調べられること、理科の観察やまとめが写真を使って簡単に行えること、外国語の授業で習ったローマ字をアウトプットする形で活用できることが挙げられる。デメリットとしては、自分でもっと調べよう・考えようとする探求心が欠けること、ネットの情報が小学生には理解しにくいこと、パソコンを上手に使える子と使えないことの差が出ること、授業中に遊んでしまう子がいること、が考えられた。私はパソコンなどのインターネット環境は小学校の学習などに取り入れられていくべきだともともと考えていたが、実際に利用している現場を見て体験したことで、自分が思っていたより簡単に取り入れられるものではないのだなと、難しさを感じた。だからこそ、大学で秋学期から行う教育創成科目や教職科目では、ICTや最先端技術の利用、教育の情報化の科目を履修して学び、実際自分で見て感じた体験とどのような関係があり、応用・活用していけるのかを考えるようにしたいと思う。また、これらICT関連を学びながら、児童の探求力、創造力、他者との協調性をはぐくむには何が必要になるのかも、教育創成科目の中で学ぼうと考えた。ほかにもクラス運営の面では、児童が自分の起こした過ちを悪いと認め、考えを改められるように促す方法や、児童が快適に1日を過ごせるような教室内・先生の工夫も学ぶことができた。授業面では、児童が授業内容に興味を持ち楽しめるような導入や工夫を学んだ。これらは自分が教育実習に行った際に活かせるので、とてもいい学習になった。

中学校では、部活指導を行い、実際に1週間分の練習内容を考え、指導する体験をさせていただいた。普段は先生が行う内容を行ったが自分が教えたい・伝えたいことのすべてを時間内に伝えながら練習する計画を立てることが難しかったので、次回の自己創造のための教育体験活動のときはもっと効率よく指導できるよう改善法を考えたい。また、この活動以外の時間でもボランティアとして部活指導のお手伝いをしてもいいと顧問の先生に言われたので、さらに多くの発見ができるよう、機会があれば進んで参加しようと考えている。

今回の自己創造のための教育体験活動Aでは、教育現場にお邪魔させてもらい、実際の様子を知ることができた。次回以降の体験活動や教育実習では、もう少し授業内容や授業のつくり方・構成に注目し、いいアドバイスや促しができるよう、秋学期は学習を進めていきたいと考える。

Q.活動フィールドではどういった活動を行っていますか

A.Miracle Kids Gakugeidaiは、東京学芸大学の豊かな自然を活用し、様々な立場の大人が関わり、児童の成長を支える放課後児童クラブです。自由な遊びや集団生活の中で生まれる自主性や協働性、社会性を育み伸ばします。児童の主体性を重んじ、活動の中から生まれる思いを大切にし、適切な介入と働きかけにより児童の成長を促すと共に、新たな興味関心の種を撒き探求心を引き出すような働きかけを行っています。具体的には、遊びの見守りの他、生活支援や学習支援の、個々の成長課題による個別支援や、必要により保護者に対する育児相談も行っております。大学内にある研究学童として、大学や附属小学校、企業や地域の方々と協働し、より良い学外活動について検討と改善を重ねております。また、大学内にあるため、教員養成大学の学生を中心に、個々の興味関心に沿った学びの場を積極的に提供し支援をしています。

Q.学生の活動の様子はどうでしたか

A.活動を始める時に、それぞれにどのような活動がしたいのかをうかがいます。初めは「児童との関り方を学ぶ」など大まかな目標ですが、回数を重ねるにつれ「今日は〇〇君に寄り添い話をしたい。」と、自身の中で具体的な目標が見えてきます。
児童との接し方については、初めは気を遣い、優しい良い人として対応をする学生が多く、児童が甘えて個別対応を求めたり、児童に嘘のルールを教えられ自己実現のために振り回されている様子が見られます。初めは視野が狭く、多数の児童がいる中で全体の動きに思いが届かず、目の前の児童のことで手いっぱいな学生が多いです。
回数を重ねるにつれ少しずつ周囲の動きを見ながら立ち位置を変え、複数の児童の中に入り複数で対話ができるようになっていきます。次第に嫌なことは嫌だときちんと伝え、児童同士が喧嘩をした時に話を聞き、困った時はスタッフに相談ができるようになりました。少し離れた場所から全体を俯瞰的に見守りつつも、個々が持つ多様な特性にも気づきはじめ、それぞれに合った働きかけを模索し始めます。自分の行動が児童の成長にどう関わっていくのかを考え、遊び支援から学習支援、児童の心の揺らぎへの寄り添いや、ワークショップの実施など、様々な事にチャレンジするようになる学生もいました。この場所は活動フィールドとして設置されているので、自身の興味に合わせどんどんチャレンジして欲しいと考えています。

Q.活動フィールドではどういった活動を行っていますか 　

A.青森市で陸上競技の教室を主宰しています。当クラブでは、幼児から社会人まで幅広い年齢層を対象に、陸上競技の技術や身体能力の向上をサポートしています。また、競技だけでなく、スポーツマンシップやリーダーシップの育成にも力を入れています。

Q.学生の活動の様子はどうでしたか

A.今年度の学生活動において、クラブの卒業生を1名受け入れました。彼女は夏休みの2週間、クラブ活動に参加しました。当初は慣れない様子を見せていた彼女が、徐々に積極的に後輩たちと関わる姿が見受けられました。彼女は一緒に練習メニューをこなし、適切なアドバイスを提供することで、後輩たちの尊敬を集め、最終的には手紙を贈られるほどの存在となりました。彼女の活動を通じて、学生たちの成長を感じることができ、大変感慨深いものがありました。 　また、彼女は自己創造のための教育体験活動としての価値だけでなく、冬休みにもクラブ活動に積極的に参加してくれたことに心から感謝しています。